電動キックボードの交通ルール(道路・標識編)
電動キックボードの交通ルール(道路・標識編)
今回から3回に分けて、実際に電動キックボードに乗るときに注意しなければならない交通ルールを解説していきます。
自動車やオートバイ免許、そして原付免許などをお持ちの方も、もう一度整理する意味として、電動キックボードの交通ルールをおさらいしましょう。
すでに何らかの運転免許証を持っている方ですと、ほとんど理解できておられる内容になると思いますが、復習もかねてお読み下さい。
また、一部の車種は、特定小型原動機付自転車という区分となり、16歳以上だと免許不要で乗ることのできる車種もありますのでまったく免許証を持っていない方向けの基本的な知識としての解説にもなっています。
参考資料として、警視庁のサイトから、
をベースに、さらに情報を加えながら3回に分けて解説しています。
第2回 電動キックボードの交通ルール(交差点編)
第3回 電動キックボードの交通ルール(その他編)
走行できる道路
まずは、どこが走れるのか。というのが非常に重要になると思います。
逆に言うとどこを走ってはいけないのか。違反になるのか、捕まるのか。ということを覚えるほうが早くて良いのかもしれません。
巷の情報では、自転車道が走れる。とか、歩道を走れる。とか、
いろいろな情報を見ることが出来ますが、それぞれ細かな条件があり、一概に全ての電動キックボードが走行できるわけではありません。
ご利用になられる電動キックボードがどの区分なのかを調べてから公道走行なさってください。
まずは、電動キックボードが属する区分をおさらい。
最高速度が
6km/h→「特例特定小型原動機付自転車」(特例モード6km/h)※2023年7月1日より
20km/h→「特定小型原動機付自転車」※2023年7月1日より
30km/h→「一般原動機付自転車(旧:原動機付自転車一種)」
60km/h→「原動機付自転車二種」(小型限定普通自動二輪免許)
となります。
では、道路を通行区分、4種類に分けて説明します。
【車道】OK
車道と歩道または路側帯の区別がある道路では、車道を通行しなければなりません。
そして、原則として左端に寄って通行しなければなりません。
右側を通行してはいけませんし、対向車線を走行することも出来ません。
公道を走ることができる電動キックボードでしたらすべての車種が車道を走行できます。
横をビュンビュン速度を上げて走る車の横を走行するのは不安定なものですが、安全に気をつけて走行ください。
「特定小型原動機付自転車」※2023年7月1日より | 走行可能 |
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「一般原動機付自転車(旧:原動機付自転車一種)」 | 走行可能 |
「原動機付自転車二種」 | 走行可能 |
道路イラスト画像はすべて、警視庁サイトより引用しております。
注意※
道路イラストの走行できない矢印などは、「特定小型原動機付自転車」を表しています。
原則として左端に寄って通行
車道の右側は走行できません。
※原付二種はOK。
対向車線を逆行して走行できません。
【自転車道】一部OK
自転車道(普通自転車専用通行帯)も、最近大きな道路などでは整備されて増えてきました。
この自転車道は、「特定小型原動機付自転車」の電動キックボードが走行できます。
該当しない電動キックボードは走行することが出来ません。必ず車道の方を走行してください。
「特定小型原動機付自転車」※2023年7月1日より | 走行可能 |
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「一般原動機付自転車(旧:原動機付自転車一種)」 | 走行不可能 |
「原動機付自転車二種」 | 走行不可能 |
道路イラスト画像はすべて、警視庁サイトより引用しております。
注意※
道路イラストの走行できない矢印などは、「特定小型原動機付自転車」を表しています。
「特定小型原動機付自転車」は、自転車道を走ることが出来ますし、車道を走ることも出来ます。
ややこしいのですが、普通自転車専用通行帯(自転車専用)がある道路では、「特定小型原動機付自転車」は、必ず普通自転車専用通行帯(自転車専用)を走行しないといけません。
【歩道】ごく一部OK
電動キックボードは歩道も走れる。というニュースなどを見た方もいらっしゃるかもしれませんが、走行できる歩道と、歩道通行できる車種が限られています。
歩道通行は、全ての歩道ではなく、道路標識等により歩道を通行できること「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識が設置されている歩道に限られます。
走行できる車種
「特例特定小型原動機付自転車」というものに該当する車種。
2023年7月1日にできました「特定小型原動機付自転車」の中で、
さらに、特例モード(最高速度6km/h)で最高速度表示灯(緑点滅)が可能な車種。
名称がややこしいですが、2023年7月1日にできる新区分「特定小型原動機付自転車」の最初に(特例)が付き、「特例特定小型原動機付自転車」となります。
最高速度6km/hというのは、6km/h以内で走れば大丈夫。ということではなく、速度リミッターが付いており、6km/hまでしか出ない状態、特例モード、いわゆる歩道通行モード(メーカーにより呼称は様々)のことで、その際には最高速度表示灯(緑点滅)となる。
歩道を通行する際には、中央から車道よりの部分、または普通自転車通行指定部分を通行すること。
「特例特定小型原動機付自転車」※2023年7月1日より | 走行可能 |
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「特定小型原動機付自転車」※2023年7月1日より | 走行不可能 |
「一般原動機付自転車(旧:原動機付自転車一種)」 | 走行不可能 |
「原動機付自転車二種」 | 走行不可能 |
道路イラスト画像はすべて、警視庁サイトより引用しております。
注意※
道路イラストの走行できない矢印などは、「特例特定小型原動機付自転車」を表しています。
「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識が設置されている歩道では、中央から車道よりの部分を走行できる。
「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識が設置されている歩道で、普通自転車通行指定部分がある場合は、そこを走行できる。
令和5年7月1日前に製作された電動キックボードで、最高速度表示灯が取り付けていない車種は、道路運送車両の保安基準上の経過措置というものがあり、令和6年12月23日までは取付けが猶予されています。
注意※
猶予には、代わりに型式認定番号標又は性能等確認済シール若しくは特定小型原動機付自転車に取り付けることとされているナンバープレートを表示している必要があります。
ただし、この猶予車種は、特定小型原動機付自転車にはなりますが、特例特定原動機付自転車にはなりませんので、歩道を通行することは出来ません。
【路側帯】ごく一部OK
歩道を通行できる「特例特定小型原動機付自転車」は、歩行者の通行を妨げないように通行できる場合、道路の左側に設けられた路側帯(歩行者用路側帯を除く。)を通行することが出来ます。
「特例特定小型原動機付自転車」※2023年7月1日より | 走行可能 |
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「特定小型原動機付自転車」※2023年7月1日より | 走行不可能 |
「一般原動機付自転車(旧:原動機付自転車一種)」 | 走行不可能 |
「原動機付自転車二種」 | 走行不可能 |
道路イラスト画像はすべて、警視庁サイトより引用しております。
注意※
道路イラストの走行できない矢印などは、「特例特定小型原動機付自転車」を表しています。
道路の左側に設けられた路側帯を、歩行者の通行を妨げない場合走行可能。
路側帯でも、「歩行者用路側帯」は走行できません。
走行できない道路
電動キックボードは、道路標識等で通行を禁止されている道路を通行することは出来ません。
以下のような標識のあるところの通行はできません。
通行禁止
「通行止め」
すべての電動キックボードは通行できません。
「車両通行止め」
すべての電動キックボードは通行できません。
「車両進入禁止」
すべての電動キックボードは進入することができません。
「特定小型原動機付自転車・自転車通行止め」
すべての電動キックボードではなく、特定小型原動機付自転車のみが走行することができません。
「二輪車・原付通行止め」
すべての電動キックボードは走行することができません。
進入禁止・進行禁止
「指定方向外進行禁止」
禁止方向への走行禁止
この標識の場合、すべての電動キックボードは左に曲がる方向以外は進行できません。
「一方通行」
逆方向禁止 いわゆる逆走
この矢印の場合、この標識から右方向にはすべての電動キックボードは通行することが出来ません。
「特定小型原動機付自転車・自転車一方通行」
※逆方向禁止 いわゆる逆走
この標識の場合、この標識から右方向にすべての電動キックボードではなく、特定小型原動機付自転車のみが通行することが出来ません。
補助標識
その他、補助標識というものがあります。
上記のように標識(本標識と呼ぶ)に取り付けられ、その標識の意味を補足するもの。
いろいろな種類がありますので、全てを説明できませんが、いくつか説明します。
いくつか種類がありますが、そもそも乗っている車両には車両区分というものが存在します。
自転車なら自転車。一つとは限らず、自転車は軽車両にも属します。
電動キックボードだと、関係する車両区分は、
二 輪 | 小型限定普通二輪、原動機付自転車、特定小型原動機付自転車 |
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小二輪 | 小型限定普通二輪、原動機付自転車、特定小型原動機付自転車 |
原 付 | 原動機付自転車、特定小型原動機付自転車 |
特定原付 | 特定小型原動機付自転車 |
自転車 | 特定小型原動機付自転車 |
補助標識には、上記の車両区分を指定した上で、
それらを、
・除く
・可能
・不可
などが表示されていますので、それに従う必要があります。
2023年7月から16歳以上で免許不要で乗り始めた方は、標識を確認する習慣が必要になりますし、なにより標識の意味も覚える必要があります。
道路編を書き終えて
警視庁の参照サイト情報から、できる限り走行できる道路事情についてわかりやすくまとめたつもりです。
もっともっといろいろなケースや標識なども付け加えていきたいのですが、情報量が多すぎてまとまりませんでした。
今回は、主要な部分を警視庁の参照サイトをもとに作成しました。
全国にはいろいろな道路事情があり、こういった道路ではどうなる?という判断が難しいところもあります。
分かりづらい道路事情は、その部分のみ押して移動する。といった選択肢も持ちながら交通ルールを遵守し、安全で楽しい運転をお願い致します。
電動キックボードの自転車道走行や歩道通行などは、誤解しやすい情報が散見しており、分かりづらくなっています。
そして、事細かにまとめられた電動キックボード用の交通ルール説明ホームページなども見当たらない状態ですので、情報を探すのも大変だと思います。
まだまだ電動キックボードの交通ルールが周知されていない状況ですので、
このホームページが、電動キックボードの走行に関する交通ルールを提供できるホームページになれば幸いです。
掲載情報の取り扱いには十分注意しておりますが、もし違っている情報がありましたら、こちらからご連絡くださりますと助かります。
また、情報も募集しております。こういった道路や標識はこうなる。ということなど、必ず情報ソースとご一緒にご連絡ください。
情報を更新してみなさんのお役に立てるホームページにしたいと思っております。
第2回 電動キックボードの交通ルール(交差点編)
第3回 電動キックボードの交通ルール(その他編)