電動キックボードの保安基準適合性調査、不適合車両が複数確認される
性能等確認制度で22車種適合、10車種で市場調査
国土交通省は、インターネット上で販売されている特定小型原動機付自転車(電動キックボードなど)の保安基準適合性調査を実施し、安全基準に適合しない車両が複数確認されたことを公表した。
国土交通省は、特定小型原動機付自転車の保安基準適合性を確認する性能等確認制度を令和4年12月に創設しており、10月末現在、22車種の性能等確認がなされている。
保安基準不適合車両が6台、自主対応や指導へ
また、インターネットを中心に流通する特定小型原動機付自転車の保安基準適合性の市場調査において、流通している81車種のうち、特に保安基準に適合しないおそれがある10車種に対し調査を実施した結果、6台の不適合が確認された。
これらの不適合車両のうち、3車種は既に保安基準適合に向けて自主的に対応しており、残りの3車種については、製造・販売事業者に対して以下の指導を行った。
- 車両を改良し、性能等確認を受けること
- 既に販売した車両について、不適合箇所を改修する措置を講じること
- 特定小型原動機付自転車の安全な利用促進のための関係事業者ガイドラインを遵守すること
下記の6車種に該当するモデルを所有している方はメーカーからの連絡を待つか、メーカーに問い合わせるなどの対応をなさったほうが良いと思います。
オンラインマーケットプレイスから不適合車両削除、未調査の車種も調査へ
オンラインマーケットプレイスは、保安基準不適合車両を削除済みであり、警察庁、消費者庁及び経済産業省に対して情報提供を行っている。
国土交通省は、引き続き、調査未実施となっている49車種についても性能等確認や市場調査を行う予定だ。
インターネットで特定小型原動機付自転車を購入する際は、保安基準不適合品に注意が必要だ。商品説明欄に「公道走行不可」等の記載があるものもあるため、よく確認することが求められる。不適合品の販売情報については、情報提供窓口に通報することが望まれる。
保安基準適合性が確認された特定小型原動機付自転車の車種一覧、市場サーベイランスに関する詳細及び不適合品の情報提供窓口は、国土交通省のウェブサイトで確認できる。
まとめ
特定小型原付は、運転免許証が不要で、ヘルメット着用義務というメリットとデメリットを併せ持つ交通手段です。2023年7月に利用開始されて以降、事故などが起こるたびに危険性が指摘されており、運転者は十分に注意する必要があります。
今回、特定小型原付の安全性確保が課題となる中、メーカーが販売する車種の一部が保安基準を満たしていないことが判明しました。命を預ける乗り物であるため、購入者はメーカーの安全性を信頼するしかなく、保安基準を満たしていない車種の販売は、消費者の安全を脅かす重大な問題です。
保安基準を満たしていない車種の販売を防止するためには、国交省をはじめとした行政の対策が必要と思っています。
現在の有償におけるテスト「性能等確認制度」だけしか無いことも問題のように感じており、今回のようにテストを行うのであれば、最初から販売前に保安基準をクリアした車種のみを「特定小型原付」として販売できるようにするなどの対策が考えられるのでは。
それぞれの機関があり、関係性や辛味などでなかなか難しいでしょうが、国の仕組みもですが、
まずは、メーカーは正しい車種を販売し、購入者も交通ルールを守って安全運転に努めることが、これからの特定小型原付を作っていくと思います。
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